【田舎で起業!本当にできる?】第18話 補助金の申請が終わりました
多古町魅力活力にぎわい創出支援事業補助金
申請締め切り当日1月31日に申請完了
この「多古町魅力活力にぎわい創出支援事業補助金」は、多古町が企画運用する補助金。行政が運用しているものなので、毎年やっているものでも必ずと言っていいほど年度末に一度締め切りがある。この補助金も例に漏れず年度末に締め切りがあるのだが、申請については1月31日が締め切りとなっている。
そして、申請完了したのは1月31日当日。そんな駆け込み申請を受け入れてくださる多古町役場の方々が素晴らしすぎて、多古町の人の良さが役場の中にも溢れかえっていることを実感した。
役場の方々の素晴らしい対応に感謝
1月にこの事業をやると決めてから1ヶ月。12月には役場の担当の方に相談させていただいていたとはいえ、年度末に近いこの時期にしっかり対応してくださった役場の方には心から感謝しています。
勝手な想像かもしれないが、行政の方はなんとなく冷徹で、人間の温かみをあまり感じないイメージがあった。しかしそのイメージが覆る瞬間だった。とにかく多古町は暖かい。
今までのイメージからすると、手続き的な部分を事務的にこなして補助金の申請準備を進めていくものだという想像をしていたが、申請にあたり僕の事業について綿密に打ち合わせをしてくださった。その打ち合わせを進める上で「こうしたらもっと可能性があるかも」「こうしたらもっと多古町の賑わいに繋がるかも」というさまざまなご意見をくださり、そのご意見を事業計画書などの必要書類に落とし込むことができた。
申請が通るようにしてくれたという話ではなく、親身になって僕の考える事業に向き合ってくださった。これは本当に感謝しかない。
おかげさまで、自分の中でも事業の先々の見通しを含めて、自分が向き合いきれていなかった部分を詰めることができた。
総予算2,416,766円のうち1,012,000円を申請
・施設設備費用 約180万円
・放送音響機材 約40万円
・広告宣伝費用 約10万円
・会社設立費用 約10万円
大体このような内訳で開業する見積もりとなった。この記事は後から書いているので振り返りながら改めてラジオ局を開局するにしてはかなりミニマムにまとめられたのではないかと我ながら感心する。
この総予算のうち約50%に近い100万円ほどを補助金として申請させていただくことができた。しかもこの補助金は、概算払いと言ってある程度の割合の金額を事前にお預かりすることができる。これは資金が少ない状態で開業する僕にとってかなりありがたい制度である。
申請した事業内容とは
移住・定住・起業支援ができるコミュニティをつくるラジオ局
改めて今回の事業について説明しよう。今回僕が多古町のさまざまな方から意見を伺った結果「みんなが仲良くなるきっかけが欲しい」という答えを見出した。そしてその答えに対して僕は「移住・定住・起業支援ができるラジオ局」という事業内容を見い出した。
・これから多古町に移住を考える方が多古町を少しでも深く知ることのできるメディアとして機能するラジオ局
・多古町に移住した方がより長く住み続けたくなるコミュニティを形成するラジオ局
・新たな活動を始めるための土台づくりができるラジオ局
この3つを形成していくことで、多古町の素晴らしい最大のポイントである「人の温かさ」を色々な角度から情報発信でき、人と人をつなぐプラットフォームとなり「みんなが主役」のラジオ局が完成するのではないかと考えた。
多古町の方と多古町外の方の橋渡し役になるラジオ局
前述の3つのポイントを押さえた上で、多古町で新たな活動をするとなった際に必要なのは「外とのつながり」だと考えている。
新たな活動を始めるにあたって多古町の中だけで完結しようとすると、特にマネタイズのことを考えるとすぐに限界が訪れるだろう。これは、さまざまな方とミーティングを重ねる上で多古町の方々の金銭感覚や市場について話を聞いてわかったことである。これを考慮して、新しい活動をする方々が「外とのつながり」をつくることができる橋渡し役としてこの事業が機能すれば素晴らしい事業になるのではないかと考えた。
自分のスキルを詰め込んだらできそう
どうしてラジオ局なのか。
①八千代市「FMふくろう」の事例
僕が多古町に来る前に住んでいた八千代市にはコミュニティFM「FMふくろう」がある。色々な仕事に取り組ませていただく流れで、僕は約1年ほどFMふくろうで音楽番組を持たせていただいていた。ここで僕は番組を通して情報発信するだけではなくパーソナリティ同士の交流を目の当たりにしていた。これは意外なポイントだった。この交流は、多古町でも使える!と振り返りながら確信した。
②音響スキル
僕は2011年より都内のバンド向けスタジオでレコーディングエンジニアとして勤務し始めた。録音技術に関してはそこでしっかり学び経験を積むことができたが、実はさらに遡ると高校生の時からPAをやっていたので、音響に関しては充分な知識があった。
③スタジオ運営ノウハウ
2011年からスタジオで勤務した際、スタジオの予約システムや運用についてスタッフとして経験していた。その中でも「こうしたら効率良く運用できるかも」と考えていたものもあったため、これは今後活用できそうと考えていた。また、レコーディングスタジオのリニューアルをやったこともあった。具体的には、音響配線プランの構築や機材選定、リニューアル工事の際の配線や機材の設置などである。これは完全にスタジオ構築に役立つ経験だったと思う。
④映像制作・ライブ配信スキル
レコーディングエンジニアを3年務めた後、同じスタジオで僕は新規事業として映像制作に取り組むこととなった。こちらは完全に経験のないところからのスタートだったが、これが功を奏したといえるだろう。
何も知らないからこそ、さまざまなチャレンジをすることができた。最初はミュージックビデオ(MV)の撮影と編集からのスタートだったが、イベントのYouTube Liveへのライブ配信やそれに伴う機材の構築と配信業務、他店舗への24時間生放送システムの構築や運用など、これでもかというくらいのさまざまな経験をさせていただくことができた。当時の会社の皆様には本当に感謝しかありません。
自分がこれまでに培ってきたスキルがバチッとハマった瞬間だった。こんなことがあるのだろうか、自分でも驚いている。たまたま自分の目の前に飛び込んできたことを取り組んでいただけなのに、なぜかこのために準備してきたような内容になっているではないか。
これに気づいた瞬間に、ラジオ局ができる!と確信した。
まだまだ課題は山積み
資金はあと140万円足りない
補助金で100万円ほど確保できそうな見通しは立ったが、立ち上げに関連する総予算は約240万円。あと140万円ほど足りない。これをどうするか、早急に動かなければいけない。出資してくださる方を探すか、クラウドファンディングをするか、融資していただける金融機関をあたるか。さまざまな方法で具体的に動いていく必要がある。
開局した後のマネタイズ問題
勢いでなんとか開局までは漕ぎ着けそうな流れができてきた。プロジェクト的には目標が「2023年4月に地域に根ざした事業をスタート」だから一応目標達成になるのだが、スタートしたらその後もしっかり継続していくというミッションに切り替わっていく。そのためには、しっかりマネタイズしていかないといけないし、企業として利益を上げていく構造を構築しなければいけない。事業計画として補助金に関連してまとめ上げた資料はあるが、これを行動に落とし込んでいく必要がある。
さまざまな角度から考えながら、長く継続していく事業にしていかなければ、「2023年4月に地域に根ざした事業をスタート」できたとしても潰れてしまったら失敗である。